ZENと暮らしの中の体の作法

朝、食事をする前と後にテーブルを拭くと思うんです。・・・それで、ちょっとイメージしてみて欲しいんですけど。体幹のほうを一切動かさずに手や腕の動きだけでテーブルを拭くのと、足腰の重心移動をあわせながら腕はあまり動かさないで拭くのとでは、使う筋肉が全く違ってくるでしょう? 


たとえば、飲食業の方が毎日、こうした腕だけでテーブル拭きするような小手先の動作をしているならば、肘や肩の関節まわりにかかる繰り返しの負荷は相当なものになってくるはずなんですよね。


ほら、よく「小手先」という言葉は、その場しのぎの例えとして使われますが、まさしく日常生活動作は小手先の小さな筋肉ではなくて、大本の大きな筋肉にも働いてもらい、上手に筋肉全体を活動に参加させてあげて欲しいなと思うんです。


それから、立ち座りをするときも同じで、うちは、昔ながらの畳に座って食べる食卓スタイルなんですが。座る時、どうしていますか?そんなの、あまり意識していないと思うので、これからちょっと意識してみてくださいね。


たとえば、食卓の上に両手をついて体重をあずけ、どっかりと座るのか?片足を半歩引いて腰を落とし、すっと座るのか?これでも、脚力の活動が全く違ってきます。


一日3回、食事をするでしょう。頭をぶらさず、着物を着ている時のような所作で、脚力のみでスッと立ち座りをすると、足腰の運動にもなり筋力低下を防げますよね?まあ、見た目もずいぶんこちらの方が美しいと思うんですよね。


毎日繰り返すことだから、運動が苦手で、まだ膝とかに痛みがない40代くらいの人は、まだ間に合うので、そういうところから気をつけてみて欲しいと思います。もちろん80代も90代の人も!できることなら務めて毎日の日常生活動作をもっと大事にしてみてください。


以上、朝の現場からでした。